パートナーの転勤で佐賀へ。キャリアを諦めず、ライフステージに合わせた働き方を叶えた「どこでもワーク」

株式会社オプト
ECチャネル戦略部
白數 明子 Shirasu Meiko
プロフィールを見る

2015年新卒入社後、運用型広告コンサルタントを担当。その後、メディア仕入れ部署にてAmazon戦略部(現 ECチャネル戦略部)立ち上げに参画。マネジメント業務に従事。
2021年、産育休中にパートナーの転勤に伴い東京から佐賀へ移住。2022年に育休から復帰後に「どこでもワーク」の制度を活用しながら、ECチャネル戦略部にてビジネスマネージャーとして活躍中。

デジタルホールディングス、およびグループ各社では、社員が自立人材として成長・活躍するためのプロジェクト、「働き方のタネ」を推進しています。その中の1つが、日本国内であれば、どこでも就業拠点として定めることが可能になる制度「どこでもワーク」です。

今回お話を伺ったのは、2015年に新卒でオプトに入社し、現在ECチャネル戦略部で活躍する白數明子さん。ご家族の転勤により産休中に佐賀に住まいを移し、「どこでもワーク」を活用して復職しています。佐賀での暮らしの様子や仕事上での変化についてお聞きしました。
 

 

理想だった、自然環境に恵まれた土地での子育て。

――白數さんの現在お住いの場所についてご紹介ください。

2022年の夏頃から佐賀県に住んでいます。
豊かな自然環境です。私は今、1歳の子どもを育てているのですが、すぐ近くに子どもと遊べる山や川があるのは子育て環境として魅力的です。私も夫も長野育ちで、私自身は子供の頃はスキーで学校に通ったり、裏の山で遊んだりと自然遊びに親しんで育ちました。それもあって、私も子どもを自然に触れさせられる子育てをしたいと思っていたので、今の環境には非常に満足しています。

佐賀で暮らし始めて、キャンプによく行くようになりました。夫がここぞとばかりにキャンプ用品を買い集めているんです(笑)

キャンプ中の写真

地方移住前にリモートワークを経験できていたことが、不安の軽減に繋がった

――白數さんが「どこでもワーク」の制度を活用し、佐賀で暮らし始めた経緯について教えてください。

きっかけは夫の転勤です。転勤のある仕事だったので、いずれは東京を離れざるを得ないときがくるだろうなとは思っていました。ですから、その時がきたら私は仕事を続けられないかもしれないと思っていたんです。

しかし、新型コロナウイルスが流行し始め、当時の会社の方針としてリモートワークを活用した働き方が推奨されるようになり、東京在住者であっても在宅勤務をする人が増えました。1年程そのような生活をした後、子どもを授かり、2021年4月から産休に入ることになったんです。産休中、もしくは産後にはいよいよ転勤の話がありそうなタイミングだったこともあり、今後について部長に相談しました。すると、「近々、場所を問わず働き続けられる未来がくると思うよ」という言葉が返ってきたんです。もしかしたらこの会社で働き続けられるのかなという期待感を持って産休に入りました。

無事に出産し、育中の2022年7月、夫の佐賀への転勤が決定。そのタイミングで「どこでもワーク」の制度が整備されたことを知って、とても嬉しかったです。私自身も働くことを諦めずに、夫の働く場所の変化に合わせることが可能となりました。同年の10月に、復職しています。
 

――産育休からの復帰だけでも不安を覚える方もいると思います。復職時に東京から離れた佐賀に住むという点に不安はありませんでしたか?

特にありませんでした。産休に入る前にリモートワークを経験できていたことが大きかったと思います。出社せずに働くスタイルを定着できていたので、居住地が佐賀になっても成果にそれほど大きな影響はないだろうと思っていました。

ただ、メンバーとのコミュニケーション面は工夫が必要だろうと想像していました。私の部署では年に1回ほど東京に集まって、合宿のような場を設けています。復職してすぐのタイミングで参加できるよう復帰時期も合宿の時期に合わせました。顔を合わせて話せる機会を活用してブランクを埋められれば、その後の仕事復帰がスムーズになるだろうと思ったのです。これは正解だったなと思います。メンバーの熱量を直接感じられたのと、部署の方向性や課題に対するアクションへの理解が深まり、事業拡大に向けてチームのみんなと同じ目線で仕事をする準備ができました。

 

遠隔地ならではのコミュニケーションの課題は、バーチャルオフィスの活用やメンバー同士の協力体制で対応

――「どこでもワーク」を活用して働き始めた感想はいかがですか?

私個人の仕事だけで考えると、東京にいた頃よりも効率が上がっているんじゃないかと思います。疲れた時には自然豊かな環境で思いっきりリフレッシュできるので、オンオフの切り替えがしやすいんです。通勤時間がなく、オフィス内での移動時間もないわけですから、単純に使える時間は増えていることも大きいと思っています。

あと、これは佐賀に行ったからというよりは復職した母親ならではの変化になりますが、時間の使い方への意識が確実に変わりました。子どもが保育園から帰ってくる17時から寝るまでの21時すぎまでは確実に仕事はできませんし、夜泣きの対応をすることもあります。限られた時間でどれだけ成果を出せるのかという意識に変わりました。だらだらと仕事をせず、しっかりと時間を区切って効率良く働けるようになったんじゃないかなと思います。

――懸念点だったメンバーとのコミュニケーションについてはいかがですか?

私の部署はメンバーの半分弱が地方に住んでいるのですが、気軽に会えない環境下で仕事を進めるスタイルに慣れていたこともあり、懸念していたよりも円滑に仕事ができています。部長も京都に住んでいて、東京にある本社オフィスから離れた状態で仕事を進めているので、部署内でフォローし合うことが当然な空気感が生まれているんです。

それでも、工夫しながら積極的にコミュニケーションを取るようにはしています。
ちょっとした雰囲気からメンバーのコンディションを察知できる機会が減った分、リモート環境下では今までよりも仕事以外の何気ない会話の場を増やす工夫が必要だと思っています。
東京にいたときよりも、チャットや通話でちょっとした雑談をする頻度を高めたり、部内では、バーチャルオフィスも活用したりしているので、バーチャルオフィス内での様子や共有スケジュール上でタイミングを見計らい、声をかけています。

また、他のメンバーの状況は、業務に関わらず部内で共有するように心がけています。そうすることで、いざというときにフォローし合えると思っています。対面コミュニケ―ションでのフォローが必要だろうと判断した時は、関東圏内にいるメンバーやマネージャーがいつでもフォローに入ってくれています。

――その他、佐賀で働くことによるメリットは何か感じられていますか?

保育園事情の違いです。都内ではまだまだ希望の保育園にすんなり入れるとは言い切れない状態ですので、場合によっては育休明けに預け先が見つけられず、復職できなかった可能性もあったかもしれません。

あと、夫が子育てに時間をかけやすいライフスタイルになったことも、佐賀に来て良かったことの1つです。東京にいたときは夫婦共に、それぞれ通勤に1時間ほどを要していましたが、佐賀では私が自宅で仕事ができるため、夫の職場に徒歩10分ほどの場所に住まいを構えました。仕事から帰ってきたあと、子どもが起きている間にコミュニケーションがとれるのは夫にとっても良いことですし、私にとっても育児の相談ごとなどをすぐに夫と分かち合えるため、心地よく生活ができています。

チームMTG中の写真

ライフステージによる環境の変化があっても、キャリアを諦めずに積み重ねていく姿を見せたい

――移住先で、これから挑戦したいことはありますか?

仕事面では、後輩たちに遠隔地でキャリアをしっかり積み重ねていく姿を見せたいなと思っています。今期からは、ECチャネル戦略部内で新規事業の拡大ミッションを担っています。育休から復帰して、地方であっても関係なく、仲間と一緒に仕事を楽しんでいたいです。

ですから、結婚や出産、夫の転勤への帯同など、ライフステージによる影響があっても、キャリアを途絶えさせずに、存分に働き続けることができる道があるというイメージモデルになれたらいいなと思っています。

私自身は、元々「働くかっこいい母になりたい」というのが社会人1年目の時の目標でした。同じように、これからのキャリアを描いている若い方たちに、ライフステージにより環境に変化が起きても、やりたいことがあるなら諦めなくていいんだよと伝えたいです。そのためにも、チームのみんなと一緒に、そして誰よりも仕事を楽しんでいたいなと思っています。

プライベートでは、車の免許を取ることですね。これまで、仕事以外でこれといった趣味がなかったのですが、せっかく環境に恵まれている土地に住んでいるんだから、移動手段を手に入れて、いろいろなことにチャレンジしてみたいなと。家族でキャンプに行くようになったのも含め、何か趣味を見つけられたらいいなと思っています。
 

――「どこでもワーク」の利用を考えている方にアドバイスはありますか?自らの希望による移住だけではなく、白數さんのように家族の状況により移住することになった人に向けて、何かあればお聞かせください。

地方に移り住むことで、仕事上、与えられるミッションが小さくなることはないと思います。キャリア面でマイナスになるのでは?と考える方もいると思いますが、熱量をもってアクションをしていき、周囲の人達と協力していくことで、いろんなミッションを任せていただける環境がデジタルホールディングスグループにはあると思います。

一方で、懸念点は対面コミュニケ―ションのハードルが上がることだと思っています。個人の業務においては、リモートであることで何か影響を受けることは無い場合も多いかもしれませんが、チームで動くとなると、メンバーの育成やフォローアップといった、対面のほうが適しているのではないかと感じる仕事も増えます。
マネージャーや他のチームメンバーとフォーメーションを組んでもらったり、コミュニケーションの頻度を増やす工夫をしたりなど、何らかの手立てを考える必要はあると思います。

キャリアやライフスタイルは誰もが自由に描いていいものだと思いますし、目指したい働き方を実現できる環境、それを理解して協力してくれる人達が今の組織にはあります。これからも理想のライフスタイルを描きながら、自分らしい働き方を模索していきたいです。

 

風景写真